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2005 年度 実績報告書

コロニーを作れない微生物の多様性解析と分離法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17658039
研究機関東京大学

研究代表者

正木 春彦  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50134515)

キーワード細菌 / 海水 / 液体培養 / コロニー / 難培養 / VNC / MPN / DGGE
研究概要

自然界では圧倒的多数の細菌が、生きている証拠はあってもコロニー形成ができない状態にあり、伝統的なコロニー分離・計数法では自然界の極めて限られた一面しか見ていないことが判ってきた。
相模灘の沖合から採水した海水を例に、液体培養と固体培養とでの自然界の微生物の挙動がどう違うかを分析した。海水を1μmのフィルターに通し、人工海水培地で希釈して、96穴マルチプレートに0.12mLずつ分注し、25℃で4日〜1週間培養して、液が濁った区画を、当初に1個以上の分裂できる細胞を含んでいた、ILC(In-Liquid-Culturable)な細菌として観察した。同時に、同一培地の寒天プレートでコロニーを形成させて、OSC(On-Solid-Culturable)な細菌とした。プレートでは1ヶ月以上にわたってコロニー数は増え続け、またコロニー間相互作用も観察された。ILCは、MPN(Most Probable Number)と共通する概念であるが、MPNのような概数ではなくより精度の高い値を与え、また菌の分離も可能とする。
実際にはILCはOSCの約10倍の値を与え、対象とする集団が一気に10倍に増えたことを示唆する。また、固体培地でコロニー形成しないが液体では増殖する細菌の候補を多数分離した。これらを含めILCとOSCの多数のサンプルについて、16S-rDNAの一部をPCR増幅してDGGE法で純度を分析した。複数種の菌を含むと思われるサンプルはさらに液体法あるいは固体法で菌の分離を進めた。現在、単離できたと考えられるサンプルの16S-rDNAの配列決定を進めており、その結果をもとにILCの多様性と、OSCの菌の多様性を比較する。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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