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2005 年度 実績報告書

マイクロセンサー研究開発に向けたミツバチ聴覚の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17658050
研究機関名古屋大学

研究代表者

門脇 辰彦  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (90313973)

キーワードミツバチ / 聴覚 / 音声コミュニケーション / ジョンストン器官 / 聴覚神経 / 触角
研究概要

霊長類以外で唯一、音によるコミュニケーションを行うミツバチを研究対象として以下の研究成果が得られた。ミツバチは、収穫ダンスによって良い花の位置と距離を巣仲間に伝達する。ダンサーから発する音は、収穫ダンスの重要な情報の1つと考えられているが、追随者がどのようにこの音を検出しているのかは全く分かっていない。ミツバチの音受信の神経生理メカニズムを理解するために、我々は近距離音刺激により誘起されるミツバチ触角第2節のジョンストン器官由来の細胞外膜電位の変化を記録した。ミツバチ聴覚神経は、収穫ダンス音を含む様々な音刺激(20-350Hz)に対し周波数に依存して異なる反応を示す。しかし、500Hz以上の周波数音に対する反応は極めて低い。また、音刺激による触角第3節の振動速度と変位をレーザードップラー振動計で計測した結果、ミツバチ聴覚神経の応答は基本的に触角の振動パターンによって決定されていることが明らかとなった。さらに、聴覚神経の反応の大きさ自体は、触角の振動変位の大きさとは相関しないことも示唆された。ミツバチ聴覚神経の反応は年齢に依存することから、ダンスコミュニケーションは加齢した外勤蜂のみに限定されると考えられる。また、ダンスコミュニケーションを行わないオオマルハナバチの聴覚神経は、様々な音刺激に対してミツバチと同様な反応を示す。以上の結果から、ミツバチジョンストン器官は音の種類と周波数の識別は可能であるが、ダンス言語の解読は脳内において行われていると結論できる。さらに最近、ミツバチ聴覚メカニズムの構造学的解析を行うために、ミツバチ聴覚器官及び聴覚神経の超微細構造を電子顕微鏡により観察した。その結果、約1000の聴覚神経が、触角第3節の振動によって直接物理的刺激(細胞体の伸縮)を受け活性化することを見い出した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Conservation of novel Mahya genes show the existence of neural functions common between Hymenoptera and Deuterostome2005

    • 著者名/発表者名
      Tsuchimoto et al.
    • 雑誌名

      Dev.Genes Evol. 215

      ページ: 564-574

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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