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2006 年度 実績報告書

食品フラボノイド類による脳老化の予防に関する各種動物モデル等を用いた萌芽研究

研究課題

研究課題/領域番号 17658060
研究機関東京大学

研究代表者

久恒 辰博  東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教授 (10238298)

キーワード海馬 / 記憶 / ニューロン新生 / フラボノイド
研究概要

近年、記憶にかかわる海馬においては、どんなに年をとっても新しくニューロンが生み出されていることが発見され、この現象が大いに注目されている。ところがこの新生ニューロン数は加齢とともに激減することも知られており、新生ニューロンを増やす諸条件の検索が望まれていた。本研究ではマウス脳梗塞モデルを用いて、その脳保護作用が確認されていたフラボノイド(カテキン)を使用して、ニューロン新生に対する効果を検証した。核酸アナログであるBrdUを成体マウス(8週令以上)に投与し分裂中の神経幹細胞をラベルした。そして、この2週間後ならびに6週間後にマウスより脳を取り出し、新しく生み出されたニューロンの数をダブルブラインド条件下で共焦点顕微鏡解析することにより、計測した。有意差検定の結果、カテキンによって、わずかではあるが、統計的に有意に新生ニューロンの数が増加することがわかった。
この効果の仕組みを探るために、カテキンが血管内皮細胞に作用していることを想定し、マウス血管内皮細胞由来培養細胞株であるbEnd3細胞を用いて、生化学的な解析を行った。この細胞が、神経栄養因子の産生を誘導するeNOS分子を発現していることをウェスタンブロッティング法で確認した。そこで、bEnd3細胞をカテキンで刺激することで、NO産生が起こるかどうかを調べた。数回の実験において、カテキン刺激によりNOの産生が高まる傾向が見られたが、その応答にはばらつきがあり、なかなか再現性のよい結果が得られなかった。仕組みの解明には、他の細胞ラインあるいはインビボの実験が必要であると思われた。本研究の結果から、詳細な応答機構は未解明ではあるが、フラボノイド類により、海馬ニューロン新生が高められ、海馬回路の機能が保持されていることが推測された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Increased number of new neurons in the olfactory bulb and hippocampus of adult non-human primates after focal ischemia2006

    • 著者名/発表者名
      Koketsu D, Furuichi Y, Maeda M, Matsuoka N, Miyamoto Y, Hisatsune T
    • 雑誌名

      Experimental Neurology 199

      ページ: 92-102

  • [雑誌論文] Downregulation of alpha5betal integrin expression during neuronal differentiation in neural stem cells2006

    • 著者名/発表者名
      Muramatsu D, Yoshida N, Hishiyama S, Miyamoto Y, Hisatsune T
    • 雑誌名

      Animal Cell Technology : Basic & Applied Aspects 14

      ページ: 277-283

  • [雑誌論文] 成体海馬におけるニューロン新生2006

    • 著者名/発表者名
      久恒辰博, 戸塚祐介, 福田諭
    • 雑誌名

      蛋白質核酸酵素 51

      ページ: 249-255

  • [図書] 大人にでもできる脳細胞の増やし方2007

    • 著者名/発表者名
      久恒辰博
    • 総ページ数
      179
    • 出版者
      角川書店

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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