研究課題/領域番号 |
17658064
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北畠 直文 京都大学, 農学研究科, 教授 (30135610)
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研究分担者 |
谷 史人 京都大学, 助教授 (70212040)
桝田 哲哉 京都大学, 助手 (80311744)
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キーワード | 唾液 / 唾液タンパク質 / 牛乳乳清タンパク質 / タンニン酸 / プロリンリッチプロテイ / 大豆タンパク質 / カゼイン / 耳下腺唾液 |
研究概要 |
●味刺激による耳下腺唾液の解析、ならびに唾液の主成分であるPRPがタンニンによる渋味の原因物質であることの証明 タンニン酸、ポリフェノール類、収斂味を呈するタンパク質類による渋味刺激を行い、その時に放出される耳下腺唾液を採唾器で採取し、その成分を電気泳動法によって調べた。その結果、耳下腺唾液にはプロリンリッチプロテイン(PRP)が含まれていることが確認できた。この耳下腺唾液とタンニン酸を混合すると沈殿が生じ、耳下腺唾液中のPRPがその沈殿形成に重要な役割を担っていることを明らかにした。沈殿形成濃度とタンニン酸の渋味検知濃度がほぼ一致し、これからも渋味発現に沈殿形成が関与していることが推察される。さらに、左右の耳下腺に採唾器を取り付け、耳下腺唾液が口腔内に流入しないように装着すると、タンニン酸の渋味はまったく感じられず、採唾器を脱着すると突然渋味が発生したことから、耳下腺唾液がタンニン酸の渋味発現に必須であることが確認された。 ●タンパク質の渋味 一部の甘味タンパク質を除き、タンパク質は無味であるとされてきたが、牛乳乳清タンパク質が酸性条件下で渋味を呈することを明らかにした。さらに、乳清タンパク質によらず、大豆タンパク質やカゼインなど酸性条件化で沈殿(等電点沈殿)を生じるタンパク質は一様に渋味を呈する。これについてもその沈殿形成濃度とタンニン酸の渋味検知濃度がほぼ一致した。しかし、耳下腺唾液はタンパク質の渋味発生に関与していないことを見出した。
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