研究課題
野外活動における提供情報の重要性について検討した。すでに開発運用されているPDAとGPSを用いた野外活動支援システムを用い、EXPO2005の野外体験ゾーンで森林環境学習をおこなった。この実証実験では、特定の場所で特定の情報が提供される。利用者対応としては一般と小学生程度の2種類のコンテンツを用意した。実験後の利用者へのアンケート調査によれば、「もっと詳しいことを知りたい」、「昆虫などについてもっと知りたい」など、利用者のニーズを取り入れたコンテンツ提供を望む意見があった。システムの物理的な完成度だけではなく、学習意欲とその進度に応じた情報提供の仕組み立てが必要であることを再認識した。簡単な対応としては、提供する情報の種類を多く揃え、利用者の興味などに応じて事前に選択する方法も考えられる。一方、エージェント導入の前段階となる、利用者の興味や関心がどこにあるのか探索するための方法について検討した。これはいくつかの画像を含むコンテンツを表示し、利用者にそのコンテンツに対する興味度を3段階で評価し、どのようなカテゴリーに興味があるのか探索するものである。この方法では、初期段階ではランダムにコンテンツを表示し、ある程度興味あるカテゴリーが出てきた段階では関連するコンテンツを表示する手法で、絞込みをおこなっている。小学生を対象とした実験では、ある程度の段階まで興味を絞り込むことが可能であることがわかった。問題点としては、表示するコンテンツの量が不足している点、意図するカテゴリーを明確に認知できるコンテンツが不足していた点である。
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Fourth International Conference on Creating, Connecting and Collaborating through Computing (C5 2006) (Printing)(印刷中)