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2005 年度 実績報告書

シオダマリミジンコを海洋性モデル生物として確立する試み

研究課題

研究課題/領域番号 17658083
研究機関東京大学

研究代表者

西田 睦  東京大学, 海洋研究所, 教授 (90136896)

キーワードシオダマリミジンコ / モデル生物 / 甲殻類 / 遺伝的多様性 / 自然史
研究概要

近年の人間活動により大きく攪乱されている海洋生態系を的確に保全・管理・利用するためには、その中で重要な役割を担う生物群の生命機能を深く究明することが必要である。生命機能の深い究明には、継代飼育が容易で、遺伝学実験や分子生物学実験が実施しやすく、マウスやショウジョウバエのような全ゲノムシークエンスが解明された「モデル生物」の存在が、きわめて重要な役割を果たすことが明らかになってきている。本研究は、小型甲殻類のカイアシ類という海洋生態系中の重要生物群に注目し、その一種であるシオダマリミジンコTigriopus japonicusをモデル生物として確立するための基礎を築くことを目指すものである。本種は飼育が容易で世代時間も約2週間と短く、ゲノムサイズも0.5pgと小さく、モデル生物に適している。本研究では、まず本種の集団遺伝構造を把握し、効率的な継代飼育法を確立して主要な地域系統の確保をおこなうとともに、DNAマーカーを探索してゲノム理解の基礎となる遺伝地図の作製をおこなう。
初年度の今年は、まず試料の収集とその遺伝的組成の解明に重点をおいて研究を進めた。標本は、北海道から台湾にわたる日本列島を中心とした東アジアの沿岸域をカバーする合計130地点で採集した。それらの標本1000個体以上について、ミトコンドリアDNAの12SrRNA遺伝子領域の約430塩基の配列を解析した。その結果、本種には遺伝的に大きく分化した少なくとも5つの集団グループの存在することが明らかになった。これらの集団グループは、それぞれ独自の分布域をもっており、その内部の遺伝的変異性は、南方に分布するものほど高いことが判明した。現在、その結果を論文にまとめるとともに、遺伝的組成の解析をさらに深めるために、核ゲノムの遺伝マーカーとしてのマイクロサテライトDNAの単離を進めているところである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Molecular phylogeny and evolution of the pelagic copepod genus Neocalanus (Crustacea : Copepoda).2006

    • 著者名/発表者名
      Machida, Ryuji J.
    • 雑誌名

      Marine Biology (印刷中)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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