研究概要 |
1.GFP発現トランスジェニックギンブナの作製 1)メダカEF-1プロモーターにEGFP遺伝子を連結したコンストラクト(プラスミド)を、高発現が期待できるI-Sce1メガヌクレアーゼと共にギンブナ胚に注入した。その結果、孵化後3〜5日目の3分の1の個体において筋肉等に蛍光が認められた。約1,000個の胚に注入したところ正常な形態を示す稚魚が約150尾得られ現在採卵用親魚として育成中である。今後、蛍光観察やヒレを用いたPCR法によりスクリーニングするとともに、成魚まで育成し(約9ヶ月で採卵出来ることを確認済み)、F1個体におけるEGFP遺伝子の発現について検討する予定である。 2)GFP高発現コンストラクトの検討 ゼブラフィッシュにおいてトランスポソン転移システムを用いて効率良く外来遺伝子を挿入する方法が報告されている。そこで、メダカ転移酵素(Tol2)のmRNAと恒常的に発現するプロモーター及びGFPをトランスポソン配列に組み込んだプラスミドを同時に受精卵に注入したところ、著しいGFPの発現増強が見られた。現在、本システムを用いてGFPトランスジェニックギンブナを作製中である。 2.細胞障害性Tリンパ球(CTL)特異的GFP発現トランスジェニック魚の作製 ゼブラフィッシュのCD8 promoter遺伝子(CD8p)は極めて長く発現ベクターに挿入することは難しいので、フグのCD8pにGFP遺伝子をつないだ発現ベクターをゼブラフィッシュ胚に注入し発現解析をおこなったところ、発現することが確認された。ギンブナでは系統の確立に時間を要するため、先ずゼブラフィッシュにおいてFugu CD8p+GFPを導入したF0個体を150尾作製し、50尾の個体より採卵しF1個体についてCD8の発現についてPCR法により検討した。未だ陽性個体は得られておらず現在残りの100尾についてスクリーニングを進めている。
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