(1)小笠原水曜海山の深海熱水孔環境から分離されたAeropyrum caminiを供試菌として、85℃で好気環境下において旋回培養を行い、高い細胞収量が得られる条件を確立した。そのため海水培地の詳細な検討を行なった。本培養条件下で得られた菌体を、フレンチプレスを用いて細胞破砕し、遠心分離後の上清画分を各種カラムクロマトグラフィーを用いてヒドロゲナーゼを精製した。本酵素は85℃において最大活性を示し、また極めて高い耐熱性を有していた。酵素活性は、生産された水素をガスクロマトグラフィーを用いて定量して確認した。 (2)精製した本酵素を交互積層法にて炭素電極に固定化した。密閉バイアルビンにbufferを入れ窒素でバブリング後、本酵素固定化炭素電極にて1.5V印加し、ガスクロマトグラフィーにて水素量を測定した。その結果本酵素固定化電極では、生産された水素量は印加開始から50時間後も増加を続けたことから、本酵素の利用に向けた可能性が明らかになった。
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