研究課題
我が国をはじめアジア諸国における21世紀成熟社会の農村地域においては、都市的な多機能性・多様性を享受しつつも、自然と共生する生活やスローライフを可能とする魅力的な地域計画が求められる時代にある。これまでの近隣都市の動態や従来の都市住民的な思考に左右される地域活性化ではなく、独自の地域アイデンティティを創出し、地域づくり活動に住民が主体的に着手する時期にきているといえる。それは、従来の農村コミュニティが維持してきた伝統的な村落社会を基盤とする地域活性化方策(全イエ出席義務型,総体運営型)から、「機能重視型アソシエーション化」による方策(機能分化型,有志参加型,参加圏域拡大型)に変化していくことをも意味する。本研究ではこれらの背景をふまえ、成熟型農村地域(日本・中国・韓国)を対象に調査・比較分析を行うことにより、今後のアジア型農村地域社会のあり方を予測、提示していくことを目標とした。2005年度は、国内農村地域調査、及び、中国上海市郊、韓国ソウル市郊外における海外農村地域調査を行い、地域施設計画・社会学・文化人類学的視点から、基礎文献・基礎データの収集を行いつつ分析を行った。まちづくり組織のアソシエーション化については、斎尾他「農村地域における地域運営型まちづくり組織の特性と役割」農村計画学会農村計画論文集(2005)に、組織化する『範域』に関する議論は、栗原・斎尾他「農村計画における『範域』の捉え方」農村計画学会誌(2005)にまとめるに至った。2006年度は、農村計画に関する政策の現地調査を実施すると共に、農村地域社会研究に携わる3力国の研究者・実務者へのアンケート調査を行い、比較分析を進めていった。調査の一部は斎尾・栗原「日韓・農村計画研究者による「農村(計画)」アンケート調査」結果報告」農村計画学会誌(2006)に、2力年の研究成果は本科研報告書にまとめている。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (5件)
農村計画学会 農村計画学会誌 25巻・3号
ページ: 223-224
ページ: 219-222
ページ: 238-238
Architectural Institute of Korea, Architectural Society of China, Architectural Institute of Japan, A+T : Neo-Value in Asian Architecture (The 6th International Symposium on Architectural Interchanges in Asia)
ページ: 943-946
農村計画学会誌論文特集号 25巻
ページ: 299-304