• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

コンピューターを利用した「in silico形態比較病理学」創成の試み

研究課題

研究課題/領域番号 17658129
研究機関東京大学

研究代表者

中山 裕之  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40155891)

研究分担者 菊田 文夫  聖路加看護大学, 看護学部, 助教授 (60234184)
キーワードコンピューター / シミュレーション / 形態病理学 / 老人斑 / 動物
研究概要

in vivoおよびin vitroの手法に加えて、コンピューター内で生命現象を再現し解析する方法(in silico)が広まりつつある。本研究は老人斑形成過程を人工生命プログラムを用いてシミュレートし、「老人斑は何故動物種により形態を異にするのか」について考察するものである。
人工生命プログラムとして、2次元セルオートマトンを利用したLifeLab3.6とアグリゲーションモデルを利用したAggregation2.1(いずれもフリーウェア)を用いた。これらのプログラムによりコンピューターのディスプレイ上に老人斑の形態を模した画像を作成し、これをin silico老人斑とした。完成したin silico老人斑の形態評価にはフラクタル次元(FD)を用いた。
いずれのモデルでも、初期値と遷移条件を様々に設定し、プログラムを動作させたところ、低FD老人斑(FD=1.3-1.5)と高FD老人斑(FD=約1.6)の2種類のin silico老人斑が形成された。これらの遷移条件を検討したところ、「FD値が低いほど隙間を埋めないで成長する性質が強い」ことがわかった。実際のin vivo瀰漫型老人斑のFDはネコが1.4-1.5、イヌ、ヒト、サル、クマ、ラクダでは1.6-1.7であり、前者が低FD老人斑、後者が高FD老人斑に相当した。
ネコの瀰漫型老人斑は他の動物種の老人斑と比べて疎な形態を示し、そのFD値も低い。本研究の低FD in silico老人斑はin vivoでのネコ老人斑に相当すると考えられた。低FD老人斑の「隙間を埋めない成長性」という性質から、ネコの老人斑ではβアミロイドが沈着する一方で分解されていく過程が推測された。この理由としてネコにおけるβアミロイド分解酵素(ネプリライシン)活性の特殊性などが考えられた。
上記の成果は現在投稿論文作成中である。

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi