研究課題/領域番号 |
17658135
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大和 修 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (80261337)
|
研究分担者 |
遠藤 大二 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (40168828)
落合 謙爾 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (80214162)
|
キーワード | 有機チオ硫酸化合物 / ネギ中毒 / 抗ガン作用 / 機能性 / ニンニク / タマネギ |
研究概要 |
本研究は、これまでに私たちが同定した生理活性物質である有機チオ硫酸化合物、すなわち、sodium2-propenyl thiosulfate (2PTS)およびsodium n-propyl thiosulfate (NPTS)による抗ガン効果を解明するために実施した。第II相解毒酵素群は、化学発ガン物質(変異原性物質)などの求電子性物質を不活化することによって、これらの排泄を促し、悪性腫瘍の発生を予防する機能を有している。本研究では、ラット肝臓由来の培養細胞をモデルとして用い、有機チオ硫酸化合物の第II相解毒酵素誘導作用(ガン予防効果)を検証した。 1.抗変異原性効果(抗ガン)の評価 培養細胞への放射性照射によるDNA損傷をコメットアッセイ法で検出したところ、2PTSおよぴNPTSとともに予めインキュベーションすることによって、DM損傷を有意に防御することが明かとなった。 2.第II相酵素に対する活性増強効果の評価 2PTSの作用により、酵素活性を培養肝細胞中の第II相酵素活性が有意に増加することが判明した。この効果は、quinone reductaseに認められた。 3. RNAレベルの発現増強の評価 抗ガン効果の評価を簡易化する目的で、リアルタイムPCR装置を使用して、第II相酵素群の発現についてmRNAレベルでの評価を試みた。その結果、2PTSにquinone reductaseおよびepoxide hydrolaseの発現量を有意に増加させる効果が認められた。 以上の成績から、有機チオ硫酸化合物はガン予防効果を有することが判明した。その効果は、主に第II相解毒酵素群の誘導によって発揮されるものと考えられた。
|