研究概要 |
概要:2005年度に収集した8クローンから,バイオマス生産性の高い樹種を選抜することを目的にてポット栽培試験と露地栽培試験を行い,オノエヤナギ(SEN1)の成長力が最も大きく,続いてホソバコウリュウ(FXM),エゾノキヌヤナギ(HB471)およびセイヨウキヌヤナギ(Rs82)の成長力も大きいことを見いだした. 結果:宮城県仙台市近郊において,短伐期ヤナギ林に適した高い生産性を示すヤナギ樹種の選抜を目的として,宮城県林業試験場の2aの圃場での栽培実験と,宮城教育大学敷地内において,ポット栽培を行った.オノエヤナギ(SEN1),ホソバコウリュウ(FXM),エゾノキヌヤナギ(I-82,Y-118,Kakuda1,HB471),セイヨウキヌヤナギ(Rs82)の樹高を経時的に測定した.どの種のクローンでも,圃場での成長がポット栽培を上回った.圃場,ポット栽培ともに,樹高は8月下旬まで増加したが,9月に入り伸長成長はほぼ停止した.伸長成長で比較すると,圃場では,オノエヤナギ(SEN1)とホソバコウリュウ(FXM)が同程度に良好であった. 圃場栽培したヤナギは11月末には落葉し,その地上30cmから上を刈り取り,新鮮重量を測定した.栽培1年目の場合,オノエヤナギ(SEN1)とホソバコウリュウ(FXM)が新鮮重量の増加が他の樹種に比べ高い傾向が見られたが,顕著な違いは認められなかった.栽培が2年目になるヤナギの重量増加は,オノエヤナギ(SEN1)で最も大きな増加が認められ,次にセイヨウキヌヤナギ(Rs82),エゾノキヌヤナギ(HB471),ホソバコウリュウ(FXM)の順であった.これらの結果から,オノエヤナギが仙台地区で最も成長量が大きな樹種と判定された.
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