研究課題/領域番号 |
17659020
|
研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
菅原 一幸 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (60154449)
|
研究分担者 |
山田 修平 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (70240017)
三上 雅久 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (20330425)
|
キーワード | コンドロイチン硫酸 / デルマタン硫酸 / 神経突起伸長 / 増殖因子 / 脳 / アピカン / イズロン酸 / プロテオグリカン |
研究概要 |
ブタ胎児脳から、海馬ニューロンの突起伸長促進活性をもつコンドロイチン硫酸・デルマタン硫酸(CS/DS)ハイブリッド鎖を、タンパク質のプロテアーゼによる除去、糖鎖のエタノールによる沈殿回収、調製し、プレイオトロフィンとの結合を介して活性を発揮する画分を、プレイオトロフィン固定化カラムを用いたアフィニティークロマトグラフィーで分離精製したところ、90%以上のCS/DS鎖はカラムを素通りしたが、0.4M NaClで溶出された低親和性画分と1.0MのNaClで溶出される高親和性画分も得られ、ともに全体の数%を占め、それぞれマウス海馬ニューロンの突起伸長を促進する活性をもっていた。両画分で分化促進される神経細胞は若干異なる形態を示し、低親和性画分では複数の樹状突起を、高親和性画分では1〜2本の長い突起を伸長させる活性を有していた。本研究では、このうちの低親和性画分をコンドロイチナーゼで断片化し、ゲルろ過で異なるサイズに分離後、アフィニティークロマトグラフィーで十糖画分が親和性を示す最小サイズであることを明らかにした。さらに、十糖のプレイオトロフィン結合性画分を陰イオン交換クロマトグラフィーで精製することによって複数のプレイオトロフィン低親和性オリゴ糖鎖を均一に精製し、硫酸化十糖を単離し、配列を決定した。 (2)海産ホヤの果肉から海馬ニューロンの突起伸長促進活性をもつ高硫酸化デルマタン硫酸を精製し、これでマウスを免疫し、抗デルマタン硫酸単クローン抗体を調製した。この抗体は海馬ニューロンを染色し、免疫源であるデルマタン硫酸の神経突起伸長促進活性を阻害した。 (3)サメ軟骨由来のコンドロイチン硫酸Dから調製した硫酸化オリゴ糖鎖のライブラリーを利用することにより、抗コンドロイチン硫酸抗体である473HD、CS56、MO225のエピトープの構造の特徴を初めて解明した。
|