研究課題/領域番号 |
17659031
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 正一 九州大学, 薬学研究院, 助教授 (00227175)
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研究分担者 |
末宗 洋 九州大学, 薬学研究院, 教授 (20095897)
植田 正 九州大学, 薬学研究院, 教授 (90184928)
宮本 智文 九州大学, 薬学研究院, 助教授 (40182050)
栗原 正明 国立医薬品食品衛生研究所, 室長 (20205206)
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キーワード | ジ置換アミノ酸 / コンフォメーション / ペプチド / 2次構造 / アミロイド凝集体 / ヘリックス / シート構造 |
研究概要 |
研究を3項目、1.キラル環状ジ置換アミノ酸の設計・合成 2.ペプチドの設計・合成 3.活性測定 で進めた。しかし、CADを利用した分子力場計算によるペプチド分子設計の部分で予想外に設計が困難であった。また、最近Hammer教授らにより申請研究と類似のジ置換アミノ酸を用いたアミロイド線維化阻害人工ペプチドが報告された。今年度得られた知見と彼らの結果を参考にして、来年度は再度ペプチドの分子設計を行えば、当初の研究目的へとアプローチできるのではないかと考える。以下、今年度得られた3項目についてまとめる。 1.β-シート構造阻害能を有するキラル環状ジ置換アミノ酸の合成:配座自由度の制限された光学活性環状ジ置換アミノ酸は、β-シート構造形成を阻害すると予想されるペプチド設計に有用と考えられる。そこで、各種の環状ジ置換アミノ酸を脂溶性、水溶性を考慮しながら合成した。特に、アジド基を導入すると効率的に各種のアミノ酸に変換可能であることが分かった。 2.ペプチドの設計・合成:アミロイド凝集体形成阻害活性を有する環状ジ置換アミノ酸含有ペプチドのモデルペプチドとして、まずアミノ酸Leu中に各種の環状ジ置換アミノ酸を導入したペプチドを設計・合成した。分子力場計算を利用したモデリングでは、通常のアミノ酸からなるペプチドに数個の環状ジ置換アミノ酸を導入したものでは、その2次構造の予想が環状ジ置換アミノ酸のみからなるホモペプチドに比較して困難であることが判明した。しかし、合成したモデルペプチドは、従来のものよりも安定なαヘリックス構造を形成することが判明した。 3.凝集体形成阻害活性:βアミロイドの凝集体形成阻害、並びにプリオン複製阻害アッセイ系の構築により、ペプチドの阻害活性が直ぐに測定でき分子設計にフィードバックできる体制にした。
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