受動回避記憶の障害がレチノイドにより回復するという興味ある実験結果を複数の動物、複数のモデルで確認するために、タミバロテンの大量合成法を確立した。特に最終工程の改善により、良質の化合物を得ることができ、動物実験に供することができた。 この薬理効果が海馬に関係するとの考えを基に、投与による遺伝子発現の変化について、予備的な結果を得、本試験のためのプロトコールを作製した。 また、新規のレチノイドを得るために、5員複素環とポリエン構造をもつ化合物を多数合成した。レチノイド活性を有するものが得られたものの、タミバロテンに匹敵する強い作用をもつものは見出せなかった。
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