研究課題/領域番号 |
17659057
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
河田 光博 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (60112512)
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研究分担者 |
松田 賢一 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (40315932)
二木 史朗 京都大学, 化学研究所, 教授 (50199402)
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キーワード | FRET / FRAP / エストロゲン受容体 / アンドロゲン受容体 / 細胞質・核移行 / インポーティン / RanGTP / リガンド |
研究概要 |
本研究課題では、ステロイドホルモンをはじめとする脂溶性リガンド分子の化学的蛍光標識を行い、受容体との分子相関をリアルタイムで可視化した。 エストラジオールとアンドロゲンの誘導体であるジヒドロテストステロンを、リンカーを介してOH基に低分子蛍光物質BODYPY-TMあるいはAlexa 546を化学的に標識させた。蛍光標識されたこれらの脂溶性シグナル分子を、エストロゲンレセプター(ERα/b)、アンドロゲンレセプター(AR)、のプラスミドをトランスフェクションさせた培養細胞にマイクロインジェクション法で注入、あるいはジギトニン処理したセミインタクト細胞の培養液に添加した。 各種培養細胞(内因性受容体を有しない細胞や内因性受容体を有する細胞)にこれらの受容体融合遺伝子を導入してタンパクの発現を行わせ、リガンド添加による蛍光像の変化を共焦点レーザー顕微鏡(Zeiss LSM-510META)、CCDカメラ設置蛍光顕微鏡を用いて観察した。受容体を強制発現させた細胞において、培養液中に標識エストロゲンを添加すると、標識リガンドは核に集積することが判明した。次に、非標識Alexa標識のエストロゲンと非標識エストロゲンをセミインタクト細胞に作用させたが、標識エストロゲンの核内での存在を認めなかった。一方、膜受容体であるとされるGPR30の細胞内分布を検索したところ、ゴルジ装置や疎面小胞体に一致してその分布が見られ、海馬神経細胞や視床下部オキシトシンニューロンに特異的な局在を認めた。 これらから、膜結合型受容体の脳内での働きの解明に示唆を与える結果が得られ、in vitro, in vivoでの膜受容体と核受容体のコンバージェンスが示唆された。
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