市販のホタルルシフェラーゼおよびウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子をそれぞれpBluescriptにサブクローニングし、それらをテンプレートとしてホタルおよびウミシイタケルシフェラーゼのRNAをin vitroで合成した。これらを自家蛍光が極めて弱いT5系統メダカの0日胚(ステージ4)に顕微注入し、強制発現させた。注入後6時間の時点において胚をすりつぶしてライセートを作成し、ルシフェラーゼの基質であるcoelenterazineを添加した。ルミノメータを用いて、このライセートの発光を確認したところ、加えたルシフェラーゼ基質の濃度に依存して発光量が変化した。本研究において、RNA注入法によって生きたメダカ胚に機能的ルシフェラーゼを一過的に発現させることに成功したことを確認した。 さらに、ルシフェラーゼを一過的に発現させたメダカ胚に、細胞膜高透過性のルシフェラーゼ基質であるEnduRen^<TM>を添加したが、顕微鏡観察によって発光を生きた胚において確認するには至っていない。今後、プロトコルを改善してルシフェラーゼの発現量を増大させ、特異的抗体を用いて抗体染色によってルシフェラーゼの発現量を定量する。また、coelenterazine、EnduRen以外のルシフェラーゼ基質を用い、ルシフェラーゼの強制発現による生きたメダカ胚における発光をより強化するとともに、ルシフェラーゼ発光を検出する顕微鏡光学系を改善し、生きたメダカ胚におけるルシフェラーゼ発光を画像として取得することを目指す。
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