研究概要 |
最近、私達はミトコンドリアに特異的に局在する新規ミトコンドリアユビキチンリガーゼの同定に成功し解析をすすめてきた(EMBO J2006)。このミトコンドリアユビキチンリガーゼによってアポトーシス促進因子が特異的にユビキチン化され、チトクロームC放出抑制による細胞生死が調節されている可能性が示唆されており、ミトコンドリアユビキチンリガーゼの機能に焦点をあて、ミトコンドリア蛋白分解制御による細胞生死の調節機構を分子レベルで解明することを本研究の目的としてきた。本年度はまず、HcLa細胞などの細胞株に野生型及び上記変異体のミトヌンドリアユビキチンリガーゼを過剰発現させた安定株樹立を行った。この細胞株を利用して、アポトーシス誘導刺激におけるミトコンドリアからのチトクロームCの放出に対する影響を詳細に検討した。また、チトクロームC放出以外にDNA laddcr法や細胞のviabilityを測定し、アポトーシス誘導に対する影響を検討した。 また、ミトコンドリア機能障害をおこす分子との相互作用を検討した。具体的な項目としては、ミトコンドリアユビキチンリガーゼがその分子と結合があるか、その分子の修飾に関係しているかを中心に解析をすすめた,予備的な実験データではあるが、免疫沈降による結合が見られていること、ミトコンドリアユビキチンリガーゼの野生型や変異体との共発現にて修飾の違いが見られているので、ミトコンドリアの機能障害への関わりの解析がさらに求められる。
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