研究概要 |
本申請においては,近年注目を集めているスーパーパラマグネティック・鉄オキサイド粒子(スパイオ)を用いることで、これにより幹細胞内に蓄積しやすい分子として留まることが可能か、また、細胞の追跡マーカーとして十分に機能するかどうかを検討した。 日常の診断検査に有用であることを特に念頭におき、再生医療・細胞移植における磁気共鳴画像診断装置(MRI)で撮影する際の造影剤としてスーパーパラマグネティック・鉄オキサイド粒子を、移植する細胞のトレーサーとして用いた。 従来の磁気共鳴画像造影剤であるスーパーパラマグネティック・鉄オキサイド粒子を目的の細胞に試験管内にて導入する。細胞移植後、スーパーパラマグネティック・鉄オキサイド粒子よる磁気共鳴画像造影剤を用いることで、細胞移植の妥当性を検討した。幹細胞内に蓄積しやすい分子として留まることが可能となり、細胞の追跡マーカーとしての機能は十分である。 我々は細胞移植の妥当性については、移植された組織を採取することにより、病理組織学的に検討をすすめてきた。本研究においてスーパーパラマグネティック・鉄オキサイド粒子による磁気共鳴画像造影剤の可能性を追求し、再生医療にむけてナノテクノロジーを用いた新素材を応用することにより、医療面における安全性を保持したままで、移植後,数時間から1日といった治療後極めて早期に、MRIにより検証できた。このことは、極めて低侵襲性の,再生医療に対する検証システムが開発されることを意味する。
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