• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

新規受容体型PTPによる細胞機能変換の分子機構に関する萌芽的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17659116
研究機関九州大学

研究代表者

中川 和憲  九州大学, 大学院医学研究院, 講師 (50217668)

研究分担者 居石 克夫  九州大学, 大学院医学研究院, 教授 (70108710)
米満 吉和  千葉大学, 大学院医学研究院, 客員教授 (40315065)
鬼丸 満穂  九州大学, 大学院医学研究院, 助手 (00380626)
佐田 志穂子  九州大学, 大学院医学研究院, 学術研究員 (30380629)
キーワード血管内皮細胞 / フォスファターゼ / 脱リン酸化 / 細胞周期
研究概要

リン酸化シグナルが生理・病理学的に重要なことは周知の事項であるが、一方、チロシンフォスファターゼ(PTP)による脱リン酸化も、オフシグナルとして同等に重要であるにもかかわらず、PTPに関する知見はまだ極めて少ない。そこで本研究では、新規受容体型PTPの生理学的意義ついて検討した。申請者らは、昨年度までに、PTPβ、DEP-1が細胞密度により発現誘導され、細胞の増殖抑制(あるいは接着阻害)に関わることが想定されたことから、本年度は、細胞増殖、細胞周期制御への関与の有無に注目し検討した。
Tet誘導システムを用いたDEP-1遺伝子導入による細胞機能の変化を観察したところ、発現誘導がかからないクローンでは増殖速度に変化が無い一方、過剰発現が誘導されるクローンでは細胞増殖が抑制された。そこでDEP-1過剰発現細胞での細胞周期関連因子の発現プロファイルを、定常状態の遺伝子未導入細胞と比較検討したところ、p21、c-Mycの発現にはほとんど差がないが、p27発現で低下が観察された。一方の分解に関わるユビキチンリガーゼについては、Skp2、Fbw7が亢進、KPC1、KPC2はわずかに発現低下の傾向を示した。細胞の増殖抑制に関連して細胞周期を考察した場合、仮説としては抑止誘導が考えられたが、Skp2、Fbw7、p27の動態は、その仮説とは矛盾を含んでおり、DEP-1による細胞の増殖抑制機序の解釈には、細胞周期関連因子のタンパク発現レベルでの動態解析含めたさらなる解析が必要であろう。
以上のごとく、細胞周期制御因子としてのPTPの機転機序を現状では証明できなかったが、細胞増殖抑制をもたらす受容体型PTPは、腫瘍の増殖制御など新たな細胞機能の制御戦略の端緒となりうることから、今回、発現動向に影響が示唆されたPTPと細胞周期に関する萌芽的な研究は、展開していくに値するものと考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Nonendothelial Mesenchymal Cell-Derived MCP-1 Is Required for FGF-2-Mediated Therapeutic Neovascularization. Critical Role of the Inflammatory/Arteriogenic Pathway2006

    • 著者名/発表者名
      Fujii T, et al.
    • 雑誌名

      Arterioscler Thromb Vasc Biol 20・11

      ページ: 2483-2489

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi