研究課題
リコンビナントhsp90α又はPA28αにより、10^6個の細胞ライセートからプロテアソームのアッセンブリを促進しかつ分離精製することを可能にした。とりわけ、hsp90αでは3種類のプロテアソームを分離できた。即ち、hsp90α-RC(シングルキャップ型26Sプロテアソーム),hsp90α/Hop/hsc70/hsp40-20S,及びhsp90α/CHIP-20Sである。(注;CHIP : carboxyl-terminus of hsc70 interacting protein,品質管理 E3-ユビキチンリガーゼ)。この3つのうち前2者が抗原ペプチド(OVA_<257-264>)の産生を行うことができた。hsp90α/CHIP-20Sは極めて高いトリプシン様活性を示すもののペプチド産生はできなかった。hsp90α-RCによるキモトリプシン様活性、及び抗原ペプチド産生はhsp90の特異的阻害剤であるゲルダナマイシン(GA)により強く抑制された。これはhsp90α-RCの構造をGAが破壊することによる。即ち、hsp90αは単にプロテアソームに結合しているのではなく、キモトリプシン様活性を発揮するための構造維持に重要である事が示唆された。さらにin vivoにおいてhsp90αをsiRNAでノックダウンした場合、hsp90α-RCが減少し(native-PAGEによるin-Gel hydrolysis assayによる)、細胞膜表面上のof K^d,D^dが有意に減少した。この減少はK^d特異的なリガンドペプチドの添加により完全に元に戻る。従って、hsp90α-RCはK^d,D^dに結合する内在性ペプチドの産生に重要な働きを行っている事が示唆された。
すべて 2005
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Proc.Natl Acad.Sci.USA 102
ページ: 16001-16006