本研究においては、医薬品情報を収集し、それをもとにジェネリック医薬品の評価・格付けを行うための方法論を確立し実証することを目的とした。まず、医療従事者に対する聞き取りなどを行い、その結果も考慮して、医薬品の評価にあたって対象とすべき項目をリストアップした。続いて、それぞれの項目について、医療用添付文書、インタビューフォーム、その他の資料、文献などをもとにしてその内容を評価するための評価基準を構築した。その結果、評価対象項目として、(1)提供された情報を総合して評価する「製品評価」、(2)医療現場で正しい情報が取り出しやすいかを評価する「文書・情報の整備」、(3)企業としての情報提供システムの質を評価する「情報サービスの質」の三大項目がリストアップされた。(1)としては、生物学的同等性に関する10項目、作用に関する2項目、製剤等に関する6項目、の計18項目を評価対象とした。(2)としては、添付文書の整備に関する7項目、インタビューフォームの整備に関する6項目、その他の2項目、の計15項目を評価対象とし、各項目について重要度に応じてポイントを付与した。(3)としては、6項目を評価対象とした。続いて、モデル薬剤としてラニチジンを選択し、そのジェネリック製剤を発売している13社に対して、文書により情報の提供を依頼し、上記の項目の評価を行った。その結果、総合得点として8点から70点まで、製剤毎に評価点は大きく異なっていた。今回構築した評価法は、個々の後発医薬品を評価するにあたり重要な指標を提供しうるものと考えられた。(664)
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