研究課題/領域番号 |
17659150
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹村 匡正 京都大学, 医学研究科, 助手 (40362496)
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研究分担者 |
吉原 博幸 京都大学, 医学研究科, 教授 (40182810)
今中 雄一 京都大学, 医学研究科, 教授 (10256919)
石崎 達郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30246045)
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キーワード | インシデント・アクシデントレポート / 自然言語処理 / DPC / 診療情報プロセス分析 / 機械学習 / レセプト情報 / リスクマネジメント / 医療費損失 |
研究概要 |
本研究では、医療の質を定量的に測定するという観点から、インシデント・アクシデントレポートの情報及び医事情報を用いて新しいエラー指標の算出を行った。具体的には、医療事故に起因する診療行為の自動抽出を目的とし、それらの診療行為点数をエラー指標とした。本指標は、事故が経済的にどのような影響を与えているのかを示すと同時に、病院経営的には病院の抱えるリスクを示す指標となりうるものである。自動抽出の方法論としては、1.導入が進みつつあるDPC(Diagnostic Procedure Combination)の情報を利用して、標準化された同一疾患の患者情報を用いた。具体的には、患者の診療行為とは、(同一疾患に基づく診療行為)+(その患者特有の診療行為)+(医療事故に基づく診療行為)と捉え、診療プロセスに基づいて特に事故後に特異に発生した診療行為を事故に起因する診療行為候補として抽出することとした。次に、2.インシデント・アクシデントレポートの自動分析を行い、事故に起因する診療行為候補を自動的に検証することとした。具体的には、機械学習の方法を用いて、インシデントレポートの記述を、「患者プロフィール」、「事故発生・発見プロセス」、「事故対応」、「潜在理由」、に分類して、実際のインシデントレポートの各「文」が、どの項目を記述しているのかというタグを人の手で付与し、機械学習させた。結果、京都大学医学部附属病院で収集されたインシデント・アクシデントレポートに基づく医事情報も含めた患者情報について、本方法論を適応した結果、「転倒・転落」に分類された事例に対して、リスクマネージャが判断する事故に基づく診療行為を高い精度で抽出することが出来た。しかし、レポートの記述が標準化されていないことが人手でも事故の状況を把握できないことが逆に判明し、本方法論はレポート記述の自動評価の可能性があることが示唆された。
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