検討1:胃幽門腺型粘液に対する単クローン抗体を用いた免疫組織化学 粘液性肺腺癌と診断された肺生検および切除材料組織のホルマリン固定パラフィン切片に対し、胃幽門腺型粘液を認識する単クローン抗体(HIK1083)を用いて免疫染色を行った。粘液性肺腺癌の約7割に陽性所見が得られた。形態的に類器官構造を示す場合は高率に陽性であった。 検討2:ラテックス凝集反応を用いた胃幽門腺型粘液の検出 喀痰および気管支洗浄液に対しHIK1083標識ラテックス凝集反応を行った。凝集反応が陽性であった場合は全例に粘液性肺腺癌が組織学的に確認されたが、陰性であった場合でも粘液性腺癌が存在していたものがあり、特異度は高いが、感度の点で問題があった。ただしこれは正確に検体が採れていない可能性も考えられた。
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