研究課題/領域番号 |
17659165
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木村 晋也 京都大学, 医学研究科, 助手 (80359794)
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研究分担者 |
芦原 英司 京都大学, 医学研究科, 助手 (70275197)
前川 平 京都大学, 医学研究科, 教授 (80229286)
湯浅 健 秋田大学, 医学部, 助手 (00314162)
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キーワード | 表面プラズモン共鳴 / 輸血検査 / ABO血液型抗体 / 輸血後関連急性肺障害 / 抗顆粒球抗体 / 抗HLA抗体 |
研究概要 |
血液型、顆粒球、HLAに対する抗体の迅速な測定は、輸血および移植医療において病態の把握および適切な対応に不可欠である。しかし従来の測定方法は、煩雑で定量性に乏しかった。われわれは、表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance ; SPR)を応用し、これら抗体の新規測定法の開発を行った。 ABO血液型抗体に関して、すでにSPR法での測定値を従来の凝集法との比較で半定量化に成功していた(Transfusion,2005)。本年度、正常人血清からプロテインG結合アッフィニティーカラムおよび精製AまたはB抗原結合アッフィニティーカラムを用いIgG型抗Aまたは抗B抗体を精製し、蛋白量を測定し検量線の作成を行った。これにより、IgG型抗Aまたは抗B抗体価をSPR法で"μg/ml"という単位での定量化に成功した(第53回日本輸血学会総会で発表)。本法を用い、ABO不適合生体肝移植患者における、IgG型抗Aまたは抗B抗体価と予後の関係および血清交換等の治療効果について検討した(投稿準備中)。 輸血後関連急性肺障害(TRALI)は、輸血製剤中または患者血清中の顆粒球抗体あるいはHLA抗体によって惹き起こされることが明らかとなっている。われわれは、SPR法でこれら抗体を迅速に測定する方法を開発中である。本年度は、顆粒球抗原NA1ホモま正常人の顆粒球からmRNAを抽出し、RT-PCRで全長を増幅し、プロダクトを発現ベクターに挿入、カイコ内で発現させ、リコンビナント蛋白を合成し、その後精製した。これにより膜貫通部分を含まない可溶化した精製NA1抗原を得た。現在Biacore近膜チップ上に本抗原を固相化し、顆粒球抗体を多く含む血清サンプルでデータ採取中である。 以上のように平成17年度の研究により、表面プラズモン共鳴を応用した輸血関連の検査法の基盤確立に寄与できたと考える。
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