研究概要 |
(1)細菌の16SrRNAの共通配列のアンチセンス配列をプローブとしたアフィニティカラムの作成:16SrRNAの種間共通配列のアンチセンス配列5'-GTATTACCGCGGCTGCTG-3'をプローブとして固定した樹脂をカラムに充填させ、アフィニティカラムを作成した。アフィニティカラムの吸着能が作成時によって異なることが判明し、原因を追及した結果、使用した樹脂単体のロット間差であることがわかった。今後は良質のロットで作成する必要がある。 (2)送液系のラインの問題の解消:送液にはTris-EDTA-NaCl溶液を用いているが金属の腐食(錆)が発生し、それに伴って、波形への影響が見られたためポンプの部品の改良を行った。 (3)分析カラムの変更:分析用カラムには当初、CIMカラムを用いていたが、1)再現性が悪い。2)高分子の分析が難しい。ということがわかったため、あらたな分析用カラムの選定を行った。高純度球状シリカゲルを単体としたInertsil AX(GLサイエンス)にしたところ再現性および分析能は改善されたが高分子の分析にはさらなる分析条件の改善が必要であると考えられた。 (4)分析条件を選定するためのrRNAの模擬分子(1,500merの蛍光ラベル分子)を作成した。 HPLC分析条件を作成するのにあたって菌体より抽出したRNAでは繰り返し実験に不便なため、分析条件作成時には1本差DNAを用いることにした。16SrRNAをコードする遺伝子部分をPCR増幅を行って作成した。具体的にはFITCラベルした5'末端プライマー16SFW07 5'-AGA GTT TGA TCC TGG CTC AG-3',および3'末端プライマー16SRV03 5'-AAG GAG GTG ATC CAG CCG CA-3'を用いて、1,500merの蛍光ラベル分子を作成した。
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