研究課題/領域番号 |
17659174
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
荻野 景規 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (70204104)
|
研究分担者 |
神林 康弘 金沢大学, 医学系研究科, 講師 (20345630)
人見 嘉哲 金沢大学, 医学系研究科, 講師 (70231545)
日比野 由利 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (40362008)
|
キーワード | ナノテクノロジー粒子状化学物質 / アレルギー / 酸化亜鉛 / 酸化チタン / 化学発光 / NC / Ngaマウス / iNOS |
研究概要 |
カゼイン投与ラット腹腔浸出好中球を用いて、ルミノール依存性化学発光を好中球活性化の指標とし、ナノテクノロジー粒子状化学物質である酸化亜鉛、酸化チタンの刺激作用を検討した。その結果、酸化亜鉛は、好中球化学発光増強作用があり、その作用は、グルタチオンの添加でさらに増強された。それに対し、酸化チタンは化学発光抑制作用がありグルタチオン添加においても抑制作用に変化は認められなかった。このことより、酸化チタンは電子の授受に関与する可能性があり、抗酸化作用を有ることが示唆された。また、アトピー性皮膚炎や喘息の実験モデルとして知られているNC/Ngaマウスを用いた喘息発症実験では、5日間8μgを経鼻投与し、11日目にチャレンジ投与し、12日目に肺の組織学的検討と供に肺胞洗浄液の細胞分画を観察した。その結果、酸化チタンは肺胞マクロファージに取り込まれ一部気管支周囲に炎症細胞の浸潤があり、NO合成酵素の一つであるiNoSが一部誘導されていた。しかしながら、肺胞洗浄液中に好酸球の増加は認められなかった。このことから、酸化チタンには、吸入毒性がある可能性があるが、易アレルギー性は少ないと思われた。今後、慢性曝露実験による肺毒性作用を検討する必要があると思われる。
|