研究概要 |
平成17年度には 1.我々が平成9年から継続している「国立長寿医療センター・老化に関する長期縦断疫学調査NILS-LSA」」第4次調査において尿失禁(安藤)、運動関連要因(小坂井)、生活歴等の背景要因(下方)のデータを収集した。このデータは来年度以降の尿失禁の関連要因に関する縦断研究に用いる予定である。 2.NILS-LSA第2次調査(2000-2002)に参加した41-82歳の地域在住中高年女性1105名(平均年齢60.0±11.3歳)のデータを用いて尿失禁と下肢運動能力および肥満との関連について横断的に検討した。(3)さらに肥満関連指標については一般的な肥満指標と腹部肥満指標との尿失禁との関連の強さについて背景要因を調整して検討した。 これらの検討の結果、尿失禁経験のある者は全体の50.2%であった。60歳未満、自覚的健康度が不良、出産経験あり、活動能力指標10点以下の者では尿失禁経験者の割合が有意に高く(p<0.05)、過去2年間の入院歴がある者、糖尿病の既往のある者では尿失禁経験者の割合が高い傾向(p<0.10)を認めた。すべての肥満指標は尿失禁経験の有無で有意差を認めた。 肥満指標が1s.d.上昇する毎の尿失禁経験のOdds比はBMI(Odds比:1.324,95%信頼区間:1.168-1.500)、体重(1.288,1.136-1.460)、体脂肪率(1.199,1.058-1.357)、ウエスト囲(1.354,1.192-1.538)、腹腔内脂肪面積(1.208,1.061-1.376)といずれも有意であったが肥満指標間にOdds比の有意差は認められなかった。 これらの結果は第64回日本公衆衛生学会(2005)で発表した。さらに解析を加え第6回ICDAM(Intertnational Conference on Dietary Assessment Methods)で発表予定である。
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