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2006 年度 実績報告書

過敏性腸症候群における感作現象の役割と病態メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17659200
研究機関東北大学

研究代表者

中谷 久美  東北大学, 大学院医学系研究科, 非常勤講師 (30374937)

研究分担者 福土 審  東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80199249)
キーワードストレス / 心身医学 / 消化器 / CRH / 感作
研究概要

【目的】平成17年度に採取した脳と腸を用いて以下の項目を検討し、感作現象におけるCRH receptor 1 (CRHR1)の役割および過敏性腸症候群(IBS)発症のメカニズムを明らかにする。
1.大腸粘膜の炎症を好中球数、好酸球数、リンパ球数を指標とし、HE染色法にて検討する。
2.脳及び大腸のCRHR1 mRNA発現を免疫組織化学染色法にて検討する。
【対象】Wistar rat♂、6週齢、各群6匹
【方法】trinitrobenzamine sulfonic acid (TNBS)を用い大腸に炎症を起こす。TNBSまたはvehicleを腸内に投与した後、6週間のリカバリー期間を置き、大腸の伸展刺激(80mmHg,20min/day)を6日間連続して行う。CRHR1拮抗薬としてCP-154,526を用い、伸展刺激前に投与する。6日目は、大腸伸展刺激の30分後に断頭し、脳・大腸を摘出する。
【結果】大腸粘膜固有層の好中球数は、コントロール群に比し慢性内臓刺激群で有意に多く、炎症+慢性内臓刺激群及びCRHR1拮抗薬群では慢性内臓刺激群に比し有意に少なかった。また、大腸粘膜固有層の好酸球数は、慢性内臓刺激群に比し炎症+慢性内臓刺激群及びCRHR1拮抗薬群で有意に少なかった。大腸上皮内リンパ球数は、コントロール群に比し慢性内臓刺激群、炎症+慢性内臓刺激群及びCRHR1拮抗薬群で有意に多かった。大腸粘膜固有層の好中球数は、コントロール群に比し慢性内臓刺激群で有意に多く、炎症+慢性内臓刺激群及びCRHR1拮抗薬群では慢性内臓刺激群に比し有意に少なかった。
【結論】繰り返しの消化管刺激が大腸粘膜の炎症反応を惹起し、この炎症による感作現象がIBSの発症と関与している可能性が示唆された。CRHR1の役割に関しては、今後、脳及び大腸のCRHR1 mRNA発現を更に検証する必要がある。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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