研究課題/領域番号 |
17659213
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 潤 京都大学, 医学研究科, 教授 (50173430)
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研究分担者 |
伊藤 克彦 京都大学, 医学研究科, 講師 (90281097)
東辻 宏明 京都大学, 医学研究科, 助手 (60281094)
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キーワード | ガンキリン / p53 / Rb / 不死化 / テロメラーゼ / 細胞培養 / レトロウイルス |
研究概要 |
ヒトのテロメラーゼ逆転写酵素のサブユニット(hTERT)を過剰発現させることで、初代培養細胞を不死化した報告がなされた。しかし、これらの不死化された細胞では、腫瘍抑制蛋白Rbとp53両者の機能欠損か、細胞周期の負の制御分子p16INK4Aとp53両者の機能欠損があることが見出された。一方、我々が肝細胞癌から単離した癌遺伝子Gankyrinは、Rb、p53、p16INK4A全ての機能を抑制する。そこで、hTERTとGankyrinとを過剰発現させることにより容易に初代培養細胞を不死化することができないかどうか検討した。 1.細胞にhTERTとGankyrinとを過剰発現させるためのベクター作製 ヒトEF1αのプロモーター制御下にhTERTを発現し、Neo耐性遺伝子により感染細胞選択可能なレトロウイルスベクターのコンストラクト(pSF/hTERT)を作製した。 同様にGankyrinを発現するベクターコンストラクト(pSF/Gankyrin)、さらにhTERTとGankyrinの両方を発現するコンストラクト(pSF/hTERT-Gankyrin)を作製した。 2.初代培養細胞等への感染と細胞の不死化 上記のコンストラクトをパッケージング細胞に導入し、レトロウイルス粒子を産生させ、ヒト正常食道上皮細胞の初代培養(凍結-解凍したもの)に感染させたが、細胞増殖が不良で、不死化はできなかった。そこで、有限の増殖能しかないヒトWI38線維芽細胞にpSF/hTERT-Gankyrinを感染させたところ、pSF/hTERT、pSF/Gankyrin単独感染では40回前後の継代で死滅したのに対し、50回継代が可能であった。しかし、不死化にはいたらなかった。
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