研究課題/領域番号 |
17659214
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹原 徹郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70335355)
|
研究分担者 |
平松 直樹 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30362700)
巽 智秀 大阪大学, 医学部附属病院, 助手 (20397699)
|
キーワード | HBV / ラミブジン / 耐性ウイルス / 遺伝子解析 / 酵素阻害剤 / YMDD変異 / Precore変異 / B型肝炎 |
研究概要 |
B型慢性肝炎に対するラミブジンの長期投与は1年間で約24%、4年間で約70%と高率に耐性ウイルスの出現が生じる。ラミブジン耐性を生じる変異はpol遺伝子のRTドメインの204番アミノ酸のMからVあるいはIへの置換と180番アミノ酸のLからMへの置換をひきおこす。rtM204V変異はrtL180M変異を必ず伴うのに対し、rtM204I変異はrtL180M変異を伴うこともあるが単独で出現することもあることが知られている。ラミブジン耐性に直結する204番のアミノ酸置換はウイルスの増殖を低下させ、180番の置換はこれを回復すると考えられている。ラミブジン耐性を生じるこのような変異の出現にウイルスの他の領域の変異が影響するかどうかは全く知られていない。そこでラミブジン耐性の出現に関与する遺伝子変異を俯瞰するため、44名の患者血清からHBVの全遺伝子配列を決定した。204番と180番のアミノ酸置換パターンによりrtM204V/L180M(16例)、rtM204I/L180M(14例)、rtM204I(14例)に分類された。Precore変異はrtM204I群の64%に認められ、rtM204V/L180M群の19%、rtM204I/L180M群の14%に比し有意に頻度が高かった。PreS2遺伝子の短い欠失はrtM204V/L180M群の6%に比しrtM204I群で50%と有意に高頻度であった。PreSとCore遺伝子の変異の頻度はrtM204V/L180M群に比しrtM204I群で有意に高かった。ラミブジン耐性変異の出現パターンはPrecore、 Core、 PreS領域の遺伝子変異に影響を受けることが示唆された。
|