マウス心筋Naチャンネル遺伝子Scna5a特異的siRNAベクターの作製 マウス心筋Naチャンネル遺伝子Scna5acDNA塩基配列情報より、選択的抑制効果の高いシークエンスをTuschlらの方法を用いて推定し、3種のScna5a特異的siRNAベクター(ベクターA、B、C)ならびにネガティブコントロール用塩基配列をデザインした。DNAオリゴはAmbion社にて委託合成した。この合成オリゴをHasuwaらの方法に準じヒトRNA polymerase IIIプロモーターであるH1プロモーターを包含したAmbion社のpSilencer3.1-H1 neoベクターに導入した。ベクターはラージスケールにて増幅分離調整した。 発現ベクターの単離培養心筋細胞での導入 次いで発現ベクターの機能をマウス新生児単離培養心筋細胞に導入し検討した。出生直後のマウスより心臓を摘出し、培養液内でピンセットにて物理的に分離し、培養シャーレへの接触性の強さにて心筋細胞と間質細胞を分離後培養し、コントロールと三種のScna5a特異的siRNAベクターをリポフェクタミンにて調整し各々培養液中に添加した。培養液中にはネオマイシンを投与して、ベクターが導入された細胞のみ生存するように設定した。約2週間培養後生存細胞からmRNAを抽出しcDNAを合成してリアルタイムRT-PCRにてScna5a発現抑制レベルを確認した。ネガティブコントロールに比してベクターAでは約78%の、ベクターBでは85%の、ベクターCでは62%の発現抑制効果が認められた。次いでこれらの細胞での心筋Naチャンネルαサブユニット蛋白の発現レベルを検討した。ベクター導入2週間後の培養心筋細胞より蛋白を抽出し、Immunoblotting法にて半定量的に心筋Naチャンネルαサブユニット発現量を検討した。コントロールに比してベクターAでは約30%、ベクターBで約20%、ベクターCで約60%の蛋白発現が認められた。現在Scn5a特異的siRNAベクターを発現するトランスジェニックマウス作成の準備をしている。
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