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2005 年度 実績報告書

心臓における知覚神経の形成機序の解明とこれに基づく除神経心臓の神経再生療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 17659238
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

福田 恵一  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (20199227)

研究分担者 家田 真樹  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70296557)
金澤 英明  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40338033)
キーワード神経成長因子 / 心臓感覚神経 / 糖尿病
研究概要

私は本研究費により心臓における知覚神経の形成機序の解明とこれに基づく除神経心臓の神経再生療法の確立をするべく研究を行っている。心臓は神経支配を豊富に受け、その活動は自律神経系により綿密に調節されている。糖尿病や心臓移植後、重症心不全例では心臓の交感神経・知覚神経は除神経されることが知られている。知覚神経の除神経は無症候性心筋虚血を惹起し、心筋梗塞発症の要因の一つになるばかりでなく、突然死の原因としてもよく知られている。しかしこれまで心臓感覚神経の形成に必要な分子は検討されていない。
私は胎生12日からadultまでのマウスの心臓感覚神経の発達と心筋細胞から分泌される様々なneurotrophic factor発現の関係を分析し、どの因子が感覚神経の形成に関与しているか検討した。その結果、神経成長因子(NGF)のみが感覚神経の成長とともに発現が増加していた。そこでNGFに着目し、NGFノックアウトマウスの解析、および心臓でNGFを過剰発現させた際の知覚神経の回復の効果(心臓特異的NGFトランスジェニックマウスによるrescue実験)を行った。その結果NGFノックアウトマウスでは著明に心臓感覚神経の発達は障害されており、また心臓内のみならずその中枢側の後根神経節、後角の神経の発達障害も認められた。これらの障害は心臓で特異的にNGFを過剰発現させることにより完全に回復した。これらの結果より心臓知覚神経の発生段階で心筋細胞から分泌されるNGFが必須の分子であることが証明された。今後はこれらの結果を踏まえ糖尿病モデルで知覚神経障害にいたる機構、神経障害時の再生に必要な因子の解明を行う予定である。
これまでにこれらの結果の一部を2005年アメリカ心臓病学会(AHA)、2006年日本循環器学会(YIA)で発表した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Flow-independent myocardial ischemia induced by endothelin-1 : An NADH fluorescence analysis.2005

    • 著者名/発表者名
      Inoue S, Fukuda K, et al.
    • 雑誌名

      J Cardiovasc Pharmacol. 46

      ページ: 810-816

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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