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2006 年度 実績報告書

気道の炎症性疾患における気道粘膜透過性亢進の機序とその治療戦略について

研究課題

研究課題/領域番号 17659246
研究機関横浜市立大学

研究代表者

金子 猛  横浜市立大学, 大学病院, 教授 (90275066)

キーワード気道粘膜透過性 / オゾン / 血管透過性 / 気道上皮細胞 / 気道炎症 / モルモット
研究概要

モルモットにオゾンを3ppm、30分間あるいは、3ppm、120分間の曝露を行い、気道粘膜の透過性を測定した。さらに、各々の曝露群において、曝露直後の気道粘膜の病理組織学的検討を行った(オゾン3ppm、30分間の曝露量はモルモットにおいて気透過敵性を亢進させることが確認されている)。3ppmのオゾンを30分曝露した群では、気道粘膜透過性の著明な亢進が認められた。一方、3ppmのオゾンを120分曝露した群では、気道粘膜透過性がより亢進することが予想されたが、意外にも気道粘膜透過性の亢進は全く認められなかった。気道粘膜の病理組織学的検討では、3ppm、30分のオゾン曝露群において、光学顕微鏡下では気道上皮の損傷や破壊は明らかでなく、さらに電子顕微鏡による検討でも気道上皮細胞の基本構造は保たれており、気道粘膜の透過性の亢進は気道上皮細胞の損傷に起因するものではないことが確認された。一方、3ppm、120分のオゾン曝露群では。明らかな気道上皮の損傷や破壊は認められなかったものの、気道上皮を厚い粘液層が被覆しているのが観察された。これは、オゾン曝露による気道炎症が生じ、気道の血管透過性が亢進したために、血清成分の気道粘膜への浸出が生じ、これが上皮を超えて気道内腔に到達して上皮を覆うように貯留したものと考えられた。この現象は、気道粘膜透過性の亢進によって外部からの有害物質や、抗原などの粒子が気道粘膜内に侵入しやすくなることで、気道炎症が増幅していくことに対する自己防御反応として働き、気道粘膜透過性の亢進を阻害している重要な反応であると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Heme oxygenase-1, a potential biomarker of chronic silicosis, attenuates silica-induced lung injury.2006

    • 著者名/発表者名
      Sato T, Kaneko T, et al.
    • 雑誌名

      Am J Respir Crit Care Med 174・8

      ページ: 906-914

  • [雑誌論文] Large cell carcinoma of the lung with rhabdoid phenotype の1例。2006

    • 著者名/発表者名
      後藤秀人, 伊藤優, 山口展弘, 高橋健一, 河野尚美, 金子猛, 石ヶ坪良明
    • 雑誌名

      日本呼吸器学会雑誌 44・4

      ページ: 325-329

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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