研究課題/領域番号 |
17659266
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
小黒 浩明 島根大学, 医学部, 講師 (50346384)
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研究分担者 |
小林 祥泰 島根大学, 医学部, 病院長 (00118811)
村上 陽 島根大学, 医学部, 助手 (20200280)
山口 修平 島根大学, 医学部, 教授 (80135904)
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キーワード | 胃食道逆流 / セロトニン受容体拮抗剤 / sarpogrelate / アンプラーグ / 食道pHモニター / supine refluxer / GER / 経腸栄養 |
研究概要 |
平成18年度は前年度から開始した研究の結果および成果の報告を下記11.記載の国内雑誌(日本老年医学会雑誌)に投稿し受理され掲載された。以後引き続いて研究症例を集積したが、本年度は主に脳血管障害の患者を対象にして胃食道逆流(GER)の解析を行った。脳血管障害の経管栄養施行患者が所属施設で比較多かったことによる。内容は以下の通りであるが、これについては2007年度の日本老年医学会総会(2007年6月20日北海道)にすでに演題登録しており発表予定である。 目的・方法:対象者は嚥下障害によって経鼻胃管、胃瘻造設を施行している脳梗塞後遺症患者6名(平均年齢76±11歳)。内訳は右中大脳脈領域梗塞4名、左中大脳脈領域梗塞2名。経鼻胃管チューブが4名、胃瘻造設が2名。経管栄養施行の平均日数は99日。食道pHモニター(デジトラッパーpHデルタ:Medtronic社)を透視下で食道胃吻合部より5cm上に24時間留置しモニタリングした。pHが4以下となる時間帯を胃食道逆流ありとした。平均pH、pHが4以下となる合計時間、逆流回数の3項目を検討した。結果:食道内平均pHは5.9±0.3、pHが4未満となる合計時間は33±33分(2.4±2.3%)、逆流回数は31±40回であった。3名(50%)がGERであった。経管栄養管理中に肺炎をおこした患者は4名(66%)で、GERの3名はすべて肺炎を発症した。脳梗塞病巣の左右差、経鼻・胃瘻の違い、肺炎発症の有無により三評価項目に有意差は見られなかった。結論:経管栄養管理下の脳梗塞後遺症患者の半数にGERが見られ、その全てが肺炎を発症した。 平成19年度も症例を集積して、総合的な解析を行なう予定である。研究費は新たに解析用のノートパソコン、プリンター、検査用カテーテル、参考文献、備品などの購入に充当した。
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