研究課題/領域番号 |
17659285
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
北村 和雄 宮崎大学, 医学部, 教授 (50204912)
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研究分担者 |
桑迫 健二 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 助手 (20381098)
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キーワード | アドレノメデュリン / オーファン受容体 / 新規生理活性ペプチド / ラジオイムノアッセイ / ウシ副腎髄質 / 血管作動性物質 / proangiotensin-12 / amidicin |
研究概要 |
我々は1993年にヒト褐色細胞種組織より、アドレノメデュリンを強力な降圧作用を有する新規生理活性ペプチドとして発見し、アドレノメデュリンの生体内での役割を明らかにすることで、アドレノメデュリンが血圧や体液量の調節に関与する極めて重要な循環調節因子であることが明らかになった。アドレノメデュリンの発見およびその後の研究の展開に示されるように、新たな循環調節因子を発見し、その物質についての研究を推進することは極めて独創性が高い研究となる。我々はアドレノメデュリンの発見以降も、アドレノメデュリンの研究を推進すると同時に、さらなる新たな循環調節因子の探索を粘り強くすすめている。 アドレノメデュリンはラット血小板中のcAMPの増加活性を指標に発見できた。副腎髄質には未知の生理活性ペプチドが存在し、その多くのものが産生される部位である副腎髄質に作用している可能性がある。我々は副腎髄質由来の培養細胞のcAMP増加を指標にしたアッセイ法を確立し、新規生理活性ペプチドの探索をすすめ、5種のペプチドを精製し、構造解析を行った。また、我々は副腎に高濃度発現しているオーファン受容体を独自に見いだしており、この受容体の安定発現型を確立することに成功した。今後はこの安定発現型の培養細胞を利用して細胞内のcAMPやカルシウムイオンを指標に生理活性ペプチドの研究を推進する。 一方生理活性ペプチドの特徴の一つに、C末のアミド構造があげられる。我々は、ペプチドのC末がアミド化されていることを指標に、ペプチドの検索を行い、ブタ心房からamidicinを単離・同定した。さらに、ヒトの褐色細胞腫にもamidicinが高濃度存在してることを明らかにし、その単離・同定をおこなった。 さらに、アンジオテンシンのN末を認識する測定系を確立することで、アンジオテンシン関連の生理活性ペプチドの系統的検索を行い、proangiotensin-12を内在性の昇圧ペプチドとして発見した。
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