研究概要 |
1.脱核における細胞構成タンパク質の発現と組み込み過程(澤田・高桑) ヒト赤芽球は分化の過程でcalnexin,β-spectrin, actin,tubulin,14-3-3,endoplasmic reticulum, cytochrome C,lamin,4.1R^<SO>,4.1R^<135>,4.1G, glycophorin A,glycophorin C, band 3,p55などを発現する.CD34^+細胞から脱核段階までその分化段階をにおけるこれら蛋白質の発現過程を共焦点顕微鏡、酵素抗体染色、ウェスタン・ブロッティングを用いて解析し、平成19年の日血・臨血合同総会に抄録を提出した。 2.正常ヒト赤芽球の脱核機構の解析(澤田・高桑) 赤芽球の脱核が支持細胞(内皮細胞やマクロファージなど)の関与を必要としない自立的な機構であることを証明するために、高度に純化したヒトCD34+細胞の赤芽球系分化誘導系を用いた。また、機械的刺激が脱核に与える影響を排除するために遠沈やピペット操作を用いない検討系を開発した。その結果、ヒト正常赤芽球の脱核はマクロファージなどの関与なしに起こる自立的な機構であることを証明し、2006年の米国血液学会で発表した(Hebiguchi M, Takakuwa Y, Sawada K, et al.:Enucleation of human erythroblasts is a process of asymmetric cytokinesis. Blood(ASH Annual Meeting Abstracts),Nov 2006;108:1663.)。現在、投稿論文を準備中である。 3.脱核阻害赤芽球の解析 恙無く検討を進めている。正常赤芽球の脱核メカニズム(正常コントロール)について上述のごとく報告準備を進めている。
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