研究課題/領域番号 |
17659295
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
三谷 絹子 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50251244)
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研究分担者 |
佐々木 光 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60282638)
牧 和宏 獨協医科大学, 医学部, 講師 (50337391)
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キーワード | TEL / GATA1 / トランスジェニックマウス / 赤血球 / 赤芽球 / 巨核球 / TER119 / EPO |
研究概要 |
TELトランスジェニックマウスの造血機能の解析 GATA1プロモーター下に野生型TELを発現するTELトランスジェニックマウスを作製し、造血能に関して解析を行った。骨髄細胞におけるTELトランスジーンの発現をGATA1プロモーターとTEL cDNAをまたぐプライマーを用いてRT-PCR法で確認した。末梢血の血算を施行した所、TELトランスジェニックマウスではコントロールマウスに比して統計学的有意差をもって赤血球数増加が観察された。白血球数および血小板数に変化は認めなかった。骨髄細胞の表面マーカー解析では、c-kit+/CD34+の造血幹細胞数に変化を認めず、CD71+/TER119-、CD71+/TER119+、CD71-/TER119+の赤芽球の各分画にも変化を認めなかった。コロニー形成能について検討を行ったが、CFU-GEMMおよびBFU-Eの数に変化を認めなかった。一方、骨髄細胞を8日間液体培養した所、TELトランスジェニック細胞ではコントロール細胞に比べて、TPO/IL-3/IL-6の存在下でc-kit+/CD41+分画の、EPO/SCFの存在下ではCD71+/TER119+分画の増大が観察された。TELには赤芽球/巨核球共通前駆細胞を増幅する、あるいは、赤芽球の分化を促進し巨核球の分化を抑制する機能があると考えられた。分子生物学的・細胞生物学的に野生型TELに対してドミナント・ネガティブ効果を発揮するΔHLH(HLH領域の欠失変異体)あるいはΔETS(ETS領域の欠失変異体)を発現するトランスジェニックマウスも作製し、造血能に関して同様の解析を行ったがコントロールマウスとの差は認めなかった。
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