研究課題/領域番号 |
17659297
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研究機関 | 奥羽大学 |
研究代表者 |
山本 正雅 奥羽大学, 薬学部, 助教授 (50150884)
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研究分担者 |
兼田 瑞穂 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (50113494)
前田 美穂 日本医科大学, 小児科, 助教授 (90173715)
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キーワード | SPYMEG / パートナー細胞 / ヒト抗体 / ハイブリドーマ / 自己免疫疾患 / 血小板減少性紫斑病 / 前骨髄巨核芽球 / MEG-01 |
研究概要 |
SPYMEGはヒト前骨髄巨核芽球MEG-01細胞とマウスミエローマ細胞SP2/0-Ag14とを融合させ8-Azaguanine耐性により選択し、クローニングして得られたフュージョンパートナー細胞である。 この手法でMEG-01/SP2のヘテロハイブリドーマ細胞を作製した直後では、ヒトGPIIb/IIIa (CD41/CD61)複合体とヒトCD36が陽性であったが、数代の継体を経た1年後にFlowcytmetryでこれらの発現を再検討した結果、GPIIb/IIIa複合体、CD36ともに陰性であった。マウスの抗原の検討ではマウスのCD45が陽性であった。しかし、制限酵素分解による比較から、ヒト由来の遺伝子は存在していた。この細胞をフュージョンパートナーとして、ヒトの抹消リンパ球と融合させ、ヒト抗体が作製可能であるか否かを検討した。その結果、非常に効率よくヒトモノクローナル抗体を作製することが可能であることが明らかとなった。これらの成績から、この融合細胞はヒトの遺伝子を温存しつつ、MEG-01の骨髄巨核球系白血病細胞の性質からミエローマ細胞の性質に近い細胞に変化し安定した細胞株と考えられた。この細胞株をSPYMEGと命名した。SPYMEGをヒトの末梢リンパ球と融合させ、ヒトIgG産生ハイブリドーマを調べると、コロニー形成ウエル率は768ウエル中218ウエル(28.5%)に形成が見られ、マウスのモノクローナル抗体作製と同等の効率が得られることがわかった。ハイブリドーマは増殖速度が速い・接着性が弱いことから取り扱いやすい。培養上精中のヒトIgG濃度は2〜11μg/mlで通常のマウスハイブリドーマとほぼ同等の濃度であることもわかった。またヒトH鎖とL鎖とも正常に発現することが明らかになった。また凍結後の起眠後、100ml培養(約1ヶ月培養)でも産生能を消失することなく安定的であった。これらの成績からSPYMEGはヒトのモノクローナル抗体作製のためのパートナー細胞として他の細胞より圧倒的に性能がよく利用価値が高と考えられた。現在、SPYMEGを用いて、ヒトの血小板減少性紫斑病の抗血小板抗体や、自己免疫疾患患者に出現した抗体を作製中である。
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