全身性エリテマトーデス(SLE)の精神症状の発現に抗モノアミンレセプターに対する自己抗体が関与するか明らかにするために、抗ドーパミンレセプターに対する自己抗体の検出系を2種類作成した。1つはドーパミンレセプターを遺伝子導入により発現させた細胞より作成した細胞膜を抗原としたEIA系を作成し、抗ドーパミンレセプター抗体の検出を試みた。他は、ドーパミンレセプターよりのシグナルによって変化するcAMPを測定することにより、抗体の機能を検出する系を作成した。すなわち、COS-7細胞にcAMPの変化を検出するためにcAMP-Response-Element (CRE)を持ったレポーター遺伝子をドーパミンレセプター遺伝子とともに導入し、本細胞を患者血清およびドーパミンとともに培養し、レポーターアッセイすることにより抗体の機能を解析する系を作成した。これらの検出系をドーパミンレセプター1および2について作成し、患者血清中の抗ドーパミンレセプター抗体の検出を試みた。その結果、一部のSLE患者血清にはドーパミンレセプター1に対する自己抗体が存在することが示された。また、より高感度のEIA系を作成するためとエピトープを決定するためにドーパミンレセプター1の細胞外ドメインの合成ペプチドを用いたEIA系を作成し、解析中である。また、同様の系をドーパミントランスポーター、セロトニンレセプターについて作成中である。
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