研究課題/領域番号 |
17659314
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平家 俊男 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90190173)
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研究分担者 |
平松 英文 京都大学, 医学研究科, 助手 (40362503)
梅田 雄嗣 京都大学, 医学研究科, 助手 (80397538)
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キーワード | 骨髄 / 造血幹細胞 / 間葉系幹細胞 / MAPC / 組織幹細胞 / sphere法 / 心筋細胞 / 再生医療 |
研究概要 |
骨髄には、造血組織を再構成する能力を有する造血幹細胞に加えて、軟骨、腱、脂肪等の組織に分化し得る間葉系幹細胞が存在することが知られている。さらに近年、より多くの分化能を有するMAPCと呼称される幹細胞が同定され、心筋、骨格筋等への分化能に基づく再生医学、再生医療への展開が期待されている。しかし、同細胞の同定、増幅、維持には困難を伴い、再生医学、再生医療に用いる標準化された幹細胞としての位置付けには、解決すべき問題が多い。我々はこの問題を解決するため、種々組織幹細胞の同定、増幅、維持に使用されるsphere法を用いて、骨髄組織よりMAPCに相当する細胞群の同定を試み、特に心筋分化について検討を加えた。骨髄細胞より接着培養法、sphere培養法を組み合わせることにより、増幅、維持できる細胞群を得た。この細胞群の分可能を検討したところ、間葉系幹細胞の有する分化能に加えて、心筋細胞へと分化する能力を有することが明らかとなった。心筋細胞への分化は、免疫組織学的検索、電気生理学的検索を用いて確認した。また、マウスへの心臓への移植においても、心筋細胞への分化を、免疫組織学的方法を用いて確認した。また、ES細胞移植時に認める奇形種の発症等の危険性についても検討したが、奇形種の発症は、長期観察においても確認できなかった。今後、この細胞群のクローナルな解析を行うことにより、sphere法を用いて同定される骨髄由来多能性幹細胞について、解析を進めていく予定である。
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