神経細胞を用いたHOXA1遺伝子のヒスチジンリピート配列の機能的解析の研究がまとまり報告した。この内容は、PBX1を介した転写活性を検討した結果、ヒスチジンリピートの延長では転写活性が抑制され、ヒスチジンリピートの短縮では逆に転写活性が増強することが明らかになった。また、ヒスチジンリピートの延長がある場合にはレチノイン酸による神経分化が抑制された。さらに細胞死について検討した結果、この細胞死はアポトーシスではなくオートファジーを介したものであることが明らかになった。(J Neurosci Res)。このリピートをもつモデルマウスを作成する準備を整えたが、実際のマウス作成までには至らなかった。 また、HOXA1、HOXA2、HOXA10、HOXA11、HOXA13、HOXD4、HOXD8、HOXD9、HOXD11およびHOXD13に存在するヒスチジン、アラニン、グリシン繰り返しをもつ15箇所についてそのリピート数の解析の研究では、自閉症とは関連が低いとの結論を得た。さらに、本リピート解析のシステムをキャピラリーシークエンサーで行うシステムを構築し、精神遅滞や他の神経疾患においてリピート変異がないかどうかの検討に着手した その他に、自閉症の関連遺伝子の検討も行ったが、有意なものを発見することはできなかった。
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