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2005 年度 実績報告書

腸管出血性大腸菌のベロ毒素による宿主障害:好中球を介した毒素輸送機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17659326
研究機関国立成育医療センター(研究所)

研究代表者

吉田 ルシア幸子  国立成育医療センター(研究所), 母児感染研究部・感染防御研究室, 共同研究員 (20240327)

キーワードベロ毒素 / 好中球 / スフィンゴ糖脂質 / レセプター
研究概要

ベロ毒素産生性大腸菌(VTEC)は、溶血性尿毒症症候群や脳症等の重症合併症を引き起こす。その原因として、ベロ毒素(VT)がBサブユニットを介して標的細胞上のレセプターであるスフィンゴ糖脂質Gb3(globotriaosylceramide)へ結合し、Aサブユニットが逆行性輸送によって小胞体へ到達してRNA切断酵素として働き、細胞毒性を発揮する事が報告されている。その一方、毒素の標的臓器への輸送機構に関しては、未だ統一した見解が得られていない。遊離型ベロ毒素が血漿中に検出されないことから、ベロ毒素の運搬を担う細胞ないし血液成分の存在が指摘されている。
我々は、これまでの検討から血中細胞では唯一好中球がベロ毒素と結合することを確認した。このため、毒素の運搬に好中球が関与していると考えている。しかしながら、好中球にはベロ毒素レセプターのGb3が殆ど発現しておらず、両者間には別の結合分子が介在している可能性が高い。
今年度は、主要な2種類のベロ毒素(VT1,VT2)に対する好中球の結合分子の同定を試みた。ヒト好中球から中性糖脂質を抽出し、薄層クロマトグラフィーで展開した。次に、VT1およびVT2と反応させ、抗VT1、抗VT2抗体を用いてレセプターの検出を試みた。その結果、標的レセプターであるGb3と異なる位置にバンドを認めた。この陽性分子は、質量分析法で解析済みであり、現在その確認を行なっている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Fungal metabolite gliotoxin targets flavocytochrome b_<558> in the activation of the human neutrophil NADPH oxidase.2005

    • 著者名/発表者名
      Nishida S, Yoshida LS, Shimoyama T, Kobayashi T, Tsunawaki S.
    • 雑誌名

      Infect Immun. 73

      ページ: 235-244

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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