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2005 年度 実績報告書

ダウン症児における一過性骨髄増殖症の自然治癒の機序に関する細胞生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17659329
研究機関東京歯科大学

研究代表者

宮内 潤  東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20146707)

キーワード癌 / 細胞・組織 / 発生・分化 / 造血 / 白血病
研究概要

ダウン症新生児における一過性骨髄増殖症(Transient myeloproliferative disorder ; TMD)は、胎児期の肝臓にて発症する特殊な白血病と考えられている。この疾患が生後急速に自然治癒する機序として、造血の場が生後肝臓から骨髄に移行することが関係する可能性が考えられる。TMD白血病細胞の増殖に及ぼす肝臓・骨髄の造血微小環境構成細胞の影響を両者の共培養実験にて解析した。
材料と方法:TMDの白血病細胞はダウン症新生児の患者から得られた末梢血芽球分画を用いた。微小環境を構成する細胞株として、FHC-4D2(ヒト胎児由来肝細胞)、AFT024(マウス胎児肝由来線維芽細胞)、KM101(ヒト骨髄由来細網細胞)、ST2(マウス骨髄由来細網細胞)を放射線照射後に培養器底面に壁付着細胞とし、この上でTMD白血病細胞の浮遊培養を行った。微小孔膜にて白血病細胞と壁付着細胞を分離した環境下でも同様の実験を行い、対照として壁付着細胞非存在下で造血因子添加・非添加にて白血病細胞の浮遊培養を行った。
結果と考察:2例のTMD白血病細胞を用い、4週間の培養を行った。液体培養後の白血病細胞数はいずれの条件下でも減少したが、1例ではKM101細胞存在下で培養が長期間維持された。コロニー培養法にて白血病前駆細胞の数を経時的に追跡した結果、壁付着細胞非存在下では4週後までに激減したが、AFT024またはKM101細胞存在下では、壁付着細胞に接着する白血病細胞分画中にコロニー形成細胞が多数残存した。ただし壁付着細胞自身もコロニー形成能を有することが判明したため、今後白血病細胞を壁付着細胞から分離回収後にコロニー培養を行い、より正確な結果を得る必要がある。肝・骨髄の造血微小環構成細胞がTMD白血病細胞の増殖に影響を与えることが示されたが、TMDの自然治癒との関係を知るにはさらに解析が必要である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Clonality analysis of childhood neuroblastoma by polymerase chain reaction for the human androgen receptor gene2005

    • 著者名/発表者名
      Shen L, Wu Z, Kuroda T, Honna T, Tanaka Y, Miyauchi, T
    • 雑誌名

      International Journal of Oncology 26

      ページ: 1329-1335

  • [雑誌論文] Histologic survey of neuroblastomas after Intensive induction chemotherapy2005

    • 著者名/発表者名
      Tsuchida Y, Miyauchi J, Kuroiwa M, Suzuki N, Sakamoto J, Suzuki M, Shitara T
    • 雑誌名

      Pediatric Blood and Cancer 45

      ページ: 656-662

  • [雑誌論文] Combined fibrolamellar carcinoma and cholangiocarcinoma exhibiting biphenotypic antigen expression : A case report2005

    • 著者名/発表者名
      Tanaka K, Honna T, Kitano Y, Kuroda T, Nakano M, Tanaka K, Morikawa N, Matsuda H, Kawashima N, Matsuoka K, Miyauchi J
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Pathology 58

      ページ: 884-887

  • [雑誌論文] 境界悪性の卵巣腫瘍と子宮頸部悪性腺腫を合併したPeutz-Jeghers症候群の1例2005

    • 著者名/発表者名
      国仲伸男, 高松 潔, 柿島裕樹, 中村宏紀, 佐合治彦, 北側道弘, 松岡健太郎, 宮内 潤
    • 雑誌名

      検査医学 54

      ページ: 1077-1082

  • [図書] 小児腫瘍組織カラーアトラス(第3巻):骨軟部腫瘍(日本病理学会小児腫瘍組織分類委員会(編))2005

    • 著者名/発表者名
      秦順一, 藤本純一郎, 浜崎豊, 堀江弘, 北條洋, 石田剛, 小林庸次, 宮内潤, 森川征彦, 中川温子, 中山雅弘, 田中祐吉, 恒吉正澄, 横山繁昭
    • 総ページ数
      156
    • 出版者
      金原出版

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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