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2006 年度 実績報告書

皮膚悪性腫瘍の診断確定に役立つ分子診断システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17659336
研究機関信州大学

研究代表者

高田 実  信州大学, 医学部, 助教授 (20154784)

研究分担者 斎田 俊明  信州大学, 医学部, 教授 (10010381)
キーワード悪性黒色腫 / 色素細胞母斑 / Spitz母斑 / 染色体 / 癌遺伝子 / 遺伝子変異 / 病理診断 / メチル化
研究概要

本年度の研究では、NRAS, BRAF, HRAS癌遺伝子の変異、癌関連遺伝子のDNAコピー数異常、癌遺伝子プロモーター領域CpG islandのメチル化の3指標によりメラノーマとSpitz母斑の鑑別が可能か否かを検討した。コピー数異常とメチル化の解析にはMS-MLPA Kit ME001を用いた。癌遺伝子変異はPCR-direct sequenceにより、NRAS codon61,HRAS codon61,BRAF codon600の3つのhot spotを調べた。診断困難例では2人の皮膚病理医がそれぞれブラインドで病理診断を行った。その結果、原発性黒色腫24例では1例を除く全例に上記の3指標のいずれかが検出されたが、定型的Spitz母斑12例ではいずれも認められず、遺伝子解析によりメラノーマと定型的Spitz母斑は明確に鑑別されることが示された。一方、診断困難例16例(多くはatypical Spitzoid tumor)では、1例で上記のすべての異常が、3例でCDKN2A遺伝子のコピー数減少が認められたが、残りの12例ではいずれの異常も検出されなかった。この成績から、atypical Spitzoid tumorの多くは良性の腫瘍であることが示唆されたが、これらの中にはメラノーマに見られる遺伝子異常が認められる症例も混在していることが明らかにされた。このような遺伝子解析は、病理学的診断がしばしば困難なメラノーマとSpitz母斑の鑑別に有用であることが示されたが、病理診断が困難な問題例についてはさらなる検討が必要と考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Genetic and epigenetic alterations in the differential diagnosis of malignant melanoma and Spitzoid lesion2007

    • 著者名/発表者名
      Minoru Takata ほか
    • 雑誌名

      Br J Dermatol (印刷中)

  • [雑誌論文] MLPA法による色素細胞腫瘍の鑑別診断2006

    • 著者名/発表者名
      高田 実
    • 雑誌名

      臨床皮膚科 60・増刊

      ページ: 67-70

  • [雑誌論文] Genetic alterations in melanocytic tumors2006

    • 著者名/発表者名
      Minoru Takata ほか
    • 雑誌名

      J Dermatol Sci 43・1

      ページ: 1-10

  • [雑誌論文] 悪性黒色腫、診断のコツと治療のポイント : 診断・治療の今後の展望2006

    • 著者名/発表者名
      高田 実
    • 雑誌名

      日皮会誌 116・12

      ページ: 2044-2047

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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