研究概要 |
最初にレプチン脳室内投与による摂餌行動に及ぼす影響とその至適濃度を検討し、また、ラットの不安を挙上十字迷路試験装置で測定するための条件設定を行った。実験動物はWistar系雌性ラットで、12週齢(摂食障害が若年の女性に好発することから、思春期に該当する週齢の雌性ラット)のものを使用した。1週間後、薬物の脳室内投与のための外科処置としてchloral hydrate麻酔下で頭皮を切開し、脳定位固定装置を用いPaxinos & Watsonの図譜に従い第3脳室(大曹から前に0.6mm、左側に2.0mm、深さ3.2mm)にガイドカニューレを挿入、固定した。1週間の回復期の後、ラットの活動期である暗期に実験を行った。 マイクロインジェクターを使用し、ラットレプチンを複数濃度(0.3,1,3,6.25μg/5μl)で、または溶媒を脳室内に注入し摂餌行動を測定した。その結果、レプチンは1μg/5μl以上で摂餌を抑制した。 ラットの不安を挙上十字迷路試験装置で測定するための条件設定について試行錯誤を繰り返した。最終的にOpen armとClosed armへの進入回数と滞在時間から、Open arm entry/Open+Closed entryを不安の指標とし、これが0.3程度になるように明るさなどを設定した。レプチン投与ラットを使用して計測を始めたところであるが、印象としてレプチンはOpen arm entry/Open+Closed entryを増加させ、抗不安作用を有すると思われるが、さらに検討をしていく予定である。
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