研究課題/領域番号 |
17659359
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中駄 邦博 北海道大学, 北海道大学病院, 医員 (00301010)
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研究分担者 |
久下 裕司 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (70321958)
玉木 長良 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30171888)
森田 浩一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20210172)
志賀 哲 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (80374495)
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キーワード | 癌 / 分子標的療法 / 分子イメージング / アポトーシス / 放射性医薬品 |
研究概要 |
本研究の目的は、ブドウ糖代謝、核酸合成、低酸素イメージング、さらにアポトーシスの初期変化など、悪性腫瘍の分子レベルの変化を画像化しうる分子イメージング法を確立し、早期診断に基づく新しい癌の診断・治療システムを開発すること、さらには、これを癌分子標的療法の早期臨床評価と治療戦略に役立てることにある。 A431腫瘍細胞をヌードマウスの右側腹部移植後11日目、治療群と対照群に分けた。治療群にはIressa200mg/kg/day、対照群には0.1%Tween80を連続2日間経口投与した。Iressa治療開始時と屠殺時、マウスの体重と腫瘍の大きさを測った。ダブルトレーサー(FDGとFLT)を尾静脈投与後1時間、腫瘍と正常組織を取り出した。そして、組織の放射能を測定し、腫瘍の病理組織学的検討を行った。 腫瘍組織においては高いEGFRとKi-67の発現が認められた。腫瘍へのFDG集積が低く、Iressa治療による腫瘍へのFDG集積には有意な変化が認められなかった。しかし、Iressa治療後、腫瘍へのFLT集積は対照群に比べて有意に低下した。またIressa治療後、Ki-67発現陽性細胞数の低下も認められた。 本実験において、Iressa治療2日後、腫瘍へのFLT集積とKi-67の発現が低下した。したがって、FLTは腫瘍細胞の増殖能を反映し、Iressaなど癌の分子標的療法の早期治療効果の判断に有用であることが示唆された。
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