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2007 年度 実績報告書

腹部外傷に対するCT所見を基本とした臓器損傷画像診断分類作成

研究課題

研究課題/領域番号 17659376
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

中島 康雄  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (00155730)

研究分担者 新美 浩  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (30237648)
箕輪 良行  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (80219708)
西巻 博  北里大学, 医学部, 講師 (30198494)
松本 純一  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (50339884)
田島 廣之  日本医科大学, 医学部, 教授 (00188244)
キーワード腹部外傷 / CT / 動脈塞栓術 / 肝損傷 / 脾損傷 / 国際研究者交流 / アメリカ
研究概要

最終年度の目標に則って国内および米国にて転機の明らかな肝脾損傷症例の読影会を重ね、計7名の放射線科医によって合意されたCT分類を具体的に記載した。報告書には教育的見地から具体的なCT画像を載せてCT読影に不慣れな救急医にも分類可能なよう配慮した。
分類の骨子は高精度の造影CTで描出される血管損傷の所見を重視し、血管損傷の位置や程度から手術、経カテーテル動脈塞栓術、厳重な経過観察による保存治療などのその後のマネージメントの方向性を示唆する内容となり、従来にない新たな分類として意義を有する。肝損傷分類は被膜損傷と血管損傷の所見の組み合わせを重視し、経カテーテル動脈塞栓術の適応とし、門脈、肝静脈本幹、下大静脈などの断裂所見を緊急手術の適応を定めた。脾損傷では損傷の大きさと血管損傷所見から分類し、肝損傷と同様に腹腔内へ流出する血管外漏出像緊急手術の適応を定めた。
今回の検討で造影CTにおける異常高濃度は、時間分解能の高い高精度CTでは動脈性出血、静脈性出血、また血管外漏出、仮性動脈瘤、AVあるいはAPシャントなどを診断できる可能性が高く治療方針決定に大きく寄与することも示しえた。本分類は外傷学会分類とともに使用されることによって現在JATECで進めているtrauma registryに利用されれば外傷診療の標準化にも寄与できると考えられる。
この分類案は米国メリーランド大学、日本救急放射線研究会メンバーを中心に検討してまとめたものでエビデンスレベルは専門家のコンセンサスレベルである。したがって今後は本分類を用いた前向きな研究によって臨床マネージメントに寄与するかを検証する必要がある。その点に関しては20年度以降の科学研究費を充てる計画で申請している。なお報告書は協力いただいた全国救急救命センターに送付した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 外傷の画像診断手法と血管内治療2008

    • 著者名/発表者名
      服部 貴行、他3名
    • 雑誌名

      INNERVISION 23

      ページ: 20-25

  • [学会発表] CT所見に基づく新しい臓器損傷分類の提案(肝臓と脾臓)2007

    • 著者名/発表者名
      松本 純一
    • 学会等名
      第35回日本救急医学会総会
    • 発表場所
      大阪府大阪市
    • 年月日
      2007-10-17
  • [学会発表] 肝・脾外傷に対するCT所見を基本とした臓器損傷分類作成現状報告2007

    • 著者名/発表者名
      中島 康雄
    • 学会等名
      第21回日本外傷学会
    • 発表場所
      千葉県幕張
    • 年月日
      2007-05-24
  • [学会発表] 肝損傷と脾損傷とCT分類の試み2007

    • 著者名/発表者名
      中島 康雄
    • 学会等名
      第21回日本外傷学会
    • 発表場所
      千葉県幕張
    • 年月日
      2007-05-24
  • [学会発表] MDCTによる再構成画像が診断と治療方針決定に有用であったシートベルト損傷の3例2007

    • 著者名/発表者名
      松本 純一
    • 学会等名
      第21回日本外傷学会
    • 発表場所
      千葉県幕張
    • 年月日
      2007-05-24

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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