研究分担者 |
藤井 正彦 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (20380040)
居村 暁 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (90380021)
森根 裕二 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (60398021)
副島 雄二 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30325526)
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研究概要 |
【背景・目的】 酸化チタンの光触媒作用を利用した血漿浄化療法は光エネルギー反応による簡易性、酸化チタン加工により様々な物質を同時分解できる多様性、殺菌・殺ウィルス効果の可能性があり、半永久的な触媒作用による費用軽減効果とともに極めて有用と考えられ、これを用いた透析装置の開発・研究をおこなっている。 【方法・結果】 1.粉塵流出検査・不純物溶出試験 酸化チタンをペレットに加工し充填したモジュールを開発し、粉塵流出・不純物溶出試験を行った。粉塵流出検査では潅流初期におけるprimingにより発塵が検出限界にまで改善し、また不純物溶出試験(Fe,Cl^-,SO4^<2->,NH4^+,Na,Ti)では、不純物の溶出を認めず安全性が確認された。すでにモジュールは開発できており、その再現性も高いことが明らかとなっている。 2.正常血漿による灌流実験 新鮮凍結血漿を用いた灌流試験ではアルブミン値は維持されたものの、フィブリノーゲン、PT、APTTは潅流直後から測定不能であり潅流時の凝固系の維持が問題点として明らかとなった。 3.肝不全血漿による灌流実験 C型肝硬変患者から得た肝不全血漿による潅流試験ではサイトカイン(IL-6,8,10)、総ビリルビン値、フィブリノゲン値は低下し、またC型肝炎ウィルスの吸着除去能も明らかとなった。アルブミン値は維持された。凝固系の維持が困難である問題点に対し新鮮凍結血漿による初期潅流を試みたところフィブリノゲン値は維持され解決策が見いだされた。 4.細胞培養系による効果の検討 肝不全に弱い細胞をリストアップし培養系を確立している途中である。 【今後の予定】 実験は順調に進行しており次年度では細胞系から動物を用いた検討に重点を移す。また新たな吸着作用も発見しているので、この点もさらに開発をすすめる予定である。
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