研究課題/領域番号 |
17659414
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
岡 正朗 山口大学, 医学部, 教授 (70144946)
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研究分担者 |
飯塚 徳男 山口大学, 医学部, 助手 (80332807)
中村 和行 山口大学, 医学部, 教授 (90107748)
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キーワード | 肝細胞癌 / プロテオミクス / 自己抗体 / 診断 |
研究概要 |
C型肝炎ウイルス(HCV)感染後に発癌(HCC)した15例の患者(HCC)からの癌切除手術の際に入手した癌部と非癌部の組織から抽出したタンパク質を二次元電気泳動で展開した後にPVDF膜に転写して、それぞれのHCC患者自身の血清、もしくは20例の健常者血清を用いてウェスタンブロットを行った結果、健常者血清に比べてHCC患者血清に強く認識されるタンパク質スポットが4スポット検出された。これら4スポットに対応するCBBR-250によって染色したゲル上のスポットをLC-MS/MSを用いた質量分析により同定した結果、Peroxiredoxin、HSP70.1、Mn-SODの3つが同定できた。質量分析結果の確認のためにリコンビナントタンパク質のPeroxiredoxin、HSP70.1、Mn-SODを用いて血清のウエスタンブロットを行ったところ、健常者血清に比べ有意にHCC患者血清中のPeroxiredoxin、HSP70.1、Mn-SODに対する自己抗体の増強が確認できた。さらに、HCC患者血清中のHSP70.1に対する自己抗体の抗体価を検証するために、血清を希釈してHSP70.1リコンビナントタンパク質に対してウエスタンブロットを行ったところ、1000倍希釈まで検出可能であることが明らかになった。現在、これらの血中抗体を検出する簡易診断チップ(プロテインチップ)を開発中であり、最終的には予後診断システムとして応用することを目的としている。
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